はじめに

大人になってピアノを始めた方の共通の悩みは「指がうまく動かない」「楽譜がよめない」ことではないでしょうか。私もそうでしたし、今もそうです。

『ピアニストの脳を科学する』によると、 指を動かすといういわゆる脳と神経と筋肉との連合は、生物学上のリミットがあり、こればかりは努力のみで何とかなるものではありません。大人になって歯列矯正ができないのと一緒です。憧れのアーティストのように『ばりばり弾く』ことはほぼ不可能と考えたほうが、変な期待をよせるより賢明です。

実際有名なジャズピアニストは音大出も多く、すばらしい早弾きで音楽表現をします。アマチュアの中でもすばらしい技術をもっている人も多く、曲中のある瞬間に奏でられる早いフレーズは、それだけで魅力的です。彼ら(彼女ら)は幼少の時より単調な機械的フレーズを毎日こなし、技術的にかなりの訓練を受けています。そしてこれは大人になってからは絶対に獲得できないものです。まさに『お金で買えないもの』です。

しかし技術は音楽を表現するための手段でしかなく、技術そのものをみせるのが目的ではありません。このページをみている方はそもそも技術で勝負しようとは思わない方が良いと思います。指がうまく動かない方は、動かないままで、いかに音楽的な演奏をするかに集中しましょう。

考え方をかえる

ばりばり弾くなどという夢は見ずに、大人しく今やれること、やれそうなことに重点をおいて練習しましょう。以下はポイントです。

ダイナミクスとアクセントに重点を置く

ゆっくりのフレーズでも音の強弱とアクセントをしかるべき位置につけると断然良くなります。これは特におすすめです。特に音の強弱は音楽的表現には絶対に必要なものです。歌うようなフレーズを心がけて、そのあたりを意識するようにしましょう。これは音楽的な表現にもつながってきます。

伴奏に命をかける

極論になりますが、ジャズピアニストの役割はフロント楽器のサポートです。要するに伴奏です。突き詰めれば伴奏は単音でメロディーを奏でるよりも技術を必要としますが、一般的な伴奏ならば指が動かなくてもなんとかなります。伴奏ができればバンドが組めます。世界が広がります。アドリブソロが1コーラス程度であっても、しっかりとした伴奏をすることで立派なジャズピアニストになれます。そしてどういうわけか伴奏上手はアドリブ上手です。ジャズピアノはソロピアノ、トリオなどのイメージが強いですが、考え方を変えて、ピアノの参加しているサックスなどのクインテッドなどをよく聴いて伴奏上手になりましょう。伴奏については当サイトのこちらを参考にしてください。

最後に

まったくピアノに触ったことない方でも、必ず『ある程度』まで弾けるようにはなります。あきらめずに努力を続けてください