ジャズを始める前に知っておくこと

ジャズ語を身につけよう

ジャズ語とはポップスやクラシックにはあまりみられないジャズ特有のメロディやコード進行などのことです。目指すレベルがどのようなものであっても、ジャズの演奏をするためには多かれ少なかれこの言語を学んでいかなければなりません。

ジャズの学習は外国語の習得とよく似ています。例えば外国語学習において最も大切なのは『ある一定量の音声や文字を徹底的に脳に刻み込む』 こととされ、これは科学的にも証明されています。週1回の外国語教室に通っても中々習得できないのは皆さんもご存知と思います。

ジャズの演奏できない、具体的にはジャズっぽいメロディやコードを弾けないという原因の大半は『ジャズの聴き込み』が足りていないことがほとんどです。例えば今何らかのジャズぽいメロディを口笛なり鼻歌で歌えることができるかどうかが、ピアノでジャズっぽいフレーズを弾けるかどうか、ということに大きく関係しています。そしてこの何気ないこと、『歌う』ということがジャズをする上で最低限必要なことであり、最も重要なことであると個人的には思っています。

このサイトをみているということは何かきっかけがあり、その何か、はまさしくあなたに感動を与えたジャズの言葉であったはずです。

ジャズをあなたの伴侶としていつも持ち歩きましょう。ジャズをあなたの心の一部として受け入れましょう。 ジャズは欧米の特別な音楽ではなく誰もが持っている悲しみ(sorrow)、 苦しみ(suffering)、欲望(desire)、渇望(thirst)、そして優しさ(heart)を表現するための世界共通言語です。恐れずにこれらを受け入れて下さい。

解説

まだジャズピアノを始めた頃、プロの方に私の演奏を聞いてもらったことがあります。演奏が終わった後に「もっとたくさんジャズのレコードを聴いた方がよい」とだけ言われました。真剣にジャズを聴いて、さらに耳コピを始めたのはそれからだと思います。

JAZZ & BLUES

ジャズのルーツはブルースとされ、ブルースはこの他ロックなどたくさんのジャンルの音楽に影響を与えています。個人的にはブルースの持つブルージーな感覚というか空気感が不完全な生き物であるヒトの心の琴線に触れるためだと思っています。

これからジャズを始める方はまずはこのブルースフィーリングを身につける練習から始めるとよいと思います。私はジャズピアノを本格的に練習する前にATN出版のIntro To Blues Pianoを一通り終えました。ページ数も少なく、また音符も簡単なためストレスなく消化できました。よかったら参考にしてください。

解説

ブルージーな雰囲気は曖昧さから成り立っており、あえて表現すると半音の半分の音になると言われています。ギタリストが使うチョーキングなどはまさにこの典型例です。ピアノは曖昧な音を出しにくい楽器ですが、アーティストによっては素晴らしいフィーリングで演奏しています。おそらく音符の問題ではなく、個人の持つブルースフィーリングのためでしょう。

ジャズのルール

音楽にはそのジャンルに応じた聴き方や弾き方のルールがあります。クラシックなら楽章、フラメンコなら決められたリズム、ポップスならサビやエンディングなどなど。ジャズにも独特のルールがあります。ジャズ・セッションのルールブックなども参考にしてください。

ジャズの全体の構成

テーマ(その原曲のメロディ)→  アドリブ(各奏者が順番にアドリブに入る)→ 4バースまたは8バース(4小節ごとまたは8小節ごとに奏者が交代する) テーマ(再び原曲のメロディに戻る)→エンディング(特に決まりはないが最後の4小節を繰り返すことが多い)。

テーマは通常フロントといわれる楽器(例えばサックスなどの管楽器)が演奏します。また、その曲の始めから終わりまでをコーラスと呼び、アドリブはコーラス単位で演奏されます。通常はフロント楽器からアドリブを弾き、他の奏者(Gt、Pf、Bassなど)へと順番が回ってきます。アドリブは基本的に何コーラスしても問題はありません。ここが最も他の音楽のジャンルと異なる点です。

プレーヤーの会話例:「この曲はスローバラードだからソロは各パート1コーラスにしよう」、「結構長いコーラス弾いてたね」、「がんばって2コーラスはアドリブとらないと」など。

カルテット(Sax、Pf、Bass、Dr)の例
Sax → Pf → Bass → ドラムの順番
クインテット(Sax、Gt、Pf、Bass、Dr)
Sax → Gt → Pf → Bass → Dr (Saxより先にGtがソロをとることもある)

解説

アドリブは何を弾こうと完全に自由であること、そしてコーラス数にも決まりはないことは時に『いま曲のどの辺を弾いているのかわからない』というロストと呼ばれる状態になることがあります。これは他の共演者はもとよりアドリブを弾いている演奏者本人にも起こります。このままでは曲そのものが停止してしまうという最悪の自体が起こりますので、ピアニストなど特にリズム楽器は曲に精通していること、コーラス感覚をしっかりと持っていることが必要になります。普段から意識しておきましょう。プロミュージシャンに聞いた話ですが、プロの演奏でもロストが起こることがあるようです。しかしさすがプロ、そんな時は素知らぬ顔をしてピアニストやギターリストがジャーンと曲初めのコードを鳴らして強引にリセットするらしいです。もちろんリスナー側は全く気づきません。さすがですね。