Improvisation

インプロビゼーション(即興、ad-lib)はジャズを練習している誰もが憧れる到着点で、またジャズという音楽を最も特徴付ける要素でもあります。しかし初心者にとっては、これらのメロディーが全て即興なんて信じられない、とても真似できそうにない、と思われるのは無理ないことと思います。

しかしアドリブの90%以上は事前の仕込みや慣れ、つまり理論的に説明可能なものであり、残り10%程度が本人が思いもしなかったメロディーやフレーズが弾けた、という感じだと思います。スピーチに例えると、いきなり自己紹介しろ、何か一言、と言われると大抵はしどろもどろになると思いますが、事前の仕込みと慣れがある人は堂々と簡潔にまとめることができます。ここではいくつかのポイントと練習方法を紹介したいと思います。

簡単なフレーズから仕込む

いわゆるジャズっぽいフレーズというのはどのテキストにも例として載っているので、それを1つ暗記します。「みなさん、初めまして。〇〇と申します」と同じ常套句です。もちろんこのセリフは使える場所が決まっています。同様にジャズのフレーズも使える場所が決まっており、それらは大抵II-V-Iというコード進行上です。よってII-V-Iというコード進行を熟知した上でこの作業を繰り返し、フレーズのストックを増やしていくことがアドリブ上達の近道になります。

コードトーンから作る

調性のある曲のメロディーの背景には必ず和音があります。この和音、いわゆるコードの分散和音でフレーズを作る作業を日々の練習に取り入れると、例えばII-V-Iを先ほどの仕込みフレーズ、その他のコード上で分散和音を使うと立派なアドリブになります。分散和音でのフレーズ練習はジャズの練習では必須なので頑張ってください。ただしコードを分散させるためには、そのコードの構成音を熟知しないといけないため、コードの理解とフレーズ練習が同時に行え、まさに一石二鳥の練習法です。

▶︎動画コードトーンアドリブで確認。

スケールから作る

ある曲中のコードにはそれぞれ機能があり、例えば同じセブンスコードでもドミナント7thなのか、そうでないのか、またマイナーコードでも2度マイナー、3度マイナー、6度マイナーなど沢山機能があります。演奏者の解釈によって機能を決めることもできますが、基本的にはその曲のキー(調)によるダイアトニックコードによって自動的に決められます。そしてコードの機能が決まると使えるスケールが決まってきます。

使えるスケールが決まれば、それらを用いてフレーズなりを作っていくのですが、振り出しに戻るようですがやはりゼロから作り出すのは容易ではありませんので、フレーズの仕込み+スケールの知識も活用して少し変化を加える、など地道な作業になります。

指に任せる

使えるスケールで最も基本的なものがそのキーのメジャースケールです。キーがCならば白鍵のみということになります。これらを左手の伴奏(例えばCとGsus)で繰り返し、右手で好きなように白鍵を弾いてみます。指のなすがままに。そして気持ちの良いフレーズが弾けることもあります。このような練習も効果的です。

▶︎動画ドレミでアドリブで確認。

曲の熟知と解釈

アドリブでは、今弾いたフレーズを次のコードへとどう繋げるかを常に意識しています。つまり一瞬の間に次のコード、次のコードを想定してアドリブを構築していくのですが、このためにはコード譜を暗記する必要があります。プロの方なら100曲はざらに暗記しているようです。実際コード進行を暗記している曲とそうでない曲ではアドリブのクオリティーが大きく変わります。そして練習するときはコードの機能について調べる習慣をつけるとよいと思います。このサイトでもスタンダードの解釈を紹介しているので参考にしてください。

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