ピアノ初心者の方へ

ジャズギタリストのアール・クルーが以前雑誌のインタビューで『ジャズを弾けるようになるためにはどうすればいいですか』という質問に対し『ピアノでもギターでもまず自分がその楽器を正しく弾けるようになる必要がある』と答えていました。当たり前のことですが、ジャズピアノを弾くためにはまずピアノという楽器を弾けるようになる必要があります。

私について

私は18歳の頃にジャズを初めて聴いてその魅力に取り憑かれました。同時期にロックバンドでギターを弾いていたので、自然な流れでジャズギターを始めました。それから大学を卒業して就職し、30歳前にふと思い立ってギターからピアノへ転向しました。

小学生の頃に少しピアノを習っていたのですが、そんな経験など全く役に立たないほど最初は指が動きませんでした。働いていたので練習時間も限られており、それでも早朝、深夜と毎日ハノンなどで指を動かす訓練をしました。最も練習していた時期で平日4時間、休日8時間くらいです。朝は5時に起きて、今でいう”朝活”をしていました。

練習の成果が現在動画などで披露している(正直言って今でも運指などをお見せするのは恥ずかしいです)そのもの、ということになります。右手は相変わらず長い、または早いフレーズなどを弾くことができません。また細かい半音の動きも苦手です。左手は特に動きが悪く、コードの分散和音を弾くのに苦労します。それでもなんとかメロディーやアドリブを弾く事は出来るので納得はしています。

譜読みは苦手です(こうして書いてみると苦手なものばかりですね)が、時間をかければなんとかなるので特に困ってはいません。

限界

”ピアニストの脳を科学する”という書籍によれば、指の神経の発達などには生物学的なリミットがあるようです。普通に考えても大人になってピアノを始めて、幼少期からかなりの訓練を受けている方々と同様の技術レベルなることは難しいと思います。しかし個人的な経験から”音楽を楽しむこと”、特にジャズピアノというジャンルに限っては学ぶに遅すぎることはない、と考えています。もちろん、どこまで技能を習得できるかはその人の音楽的な素養、ピアノを含めた他の楽器の経験の有無、知識やモチベーションの高さによって大きな幅がありますが、やる前から諦める必要は無いと思います。そして大切な事は、自分がどの程度弾けるようになるのかは、自分の限界が分かるまで練習や訓練を続けるしかありません。逆に言えば、努力を止めてしまった時が自分の限界ということになります。

本当に大切なこと

万人受けする演奏を目指しているのならば演奏技術は絶対に必要です。ピアノに限らずいわゆる職業的ミュージシャンと呼ばれる方々は皆、自身の楽器について一定水準かそれ以上の技術を持っており、特殊な例を除いて各人技術的な差はほとんど無いといえます。

しかし、たとえ稚拙な演奏であっても誰かの心を捉えることは可能であると信じています。それが60億人中ただ1人であったとしても音楽を続ける意味があると思っています。

教室に通う

初心者であればあるほどピアノの基本的な技術指導を受けることは大変効果的です。最近では大人のためのピアノ教室が沢山あります。期間限定で、例えば1年間だけでも通ってみることをお勧めします。基本的な技術が身につけばあとは独学でも問題ないと思います。

さあ始めましょう

楽器の中でもピアノは最も習得が難しいとされていますが、経験上ギターでもサックスでも簡単にマスターできる楽器は皆無で、習得には必ず一定の時間が必要です。今から新しい楽器を始めようという方はとにかく早く始めたほうがよいと思います。

最後に

私が初期に使ってた教材はハノンバーナム、それからジャズ用にブルースを始めたいピアニストのためのやさしいブルース・ピアノです。ハノンで指を鍛えて、ジャズピアノの基本であるブルースを学びました。参考にして下さい。