バッキング

バッキング(またはコンピング)はいわゆる伴奏のことで、特にバンドで演奏する時には欠かせないテクニックです。大抵はコード楽器(ギター、ピアノ)がこれを担当します。

シンプルな構成を心がける

バッキングに複雑な技巧は必要ありません。最低限譜面に記載してあるコードを基本形で鳴らす事ができれば十分です。これを基本としてテンションコードやリズムに変化をつければ良いと思います。

リズム

コードを弾くタイミングは個人の自由ですが、基本は2拍と4拍の裏にチャッという感じで歯切れよく弾きます。ケニーバロンなど、バッキングの名手と呼ばれるアーティストの演奏をよく聞いて雰囲気を真似ることをおすすめします。

コードヴォイシング

ベーシストは88鍵ピアノの左端の最低Eの音から中央左のGの音までの音域を担当します。よってベーシストがバンドにいるかいないか(大抵は必ずいます)でヴォイシングがやや変わってきます。ここではルートレスヴォイシングと、ルートありのヴォイシングについて解説します。しかし基本的にはルールは一切ないのであまり神経質にならないで下さい。

ルートレスヴォイシング

キーCにおけるII-V-I進行の例です。左手は各コードの3度と7度を押さえます。まずはこれをしっかり練習しましょう。

Dm7

G7

CM7

右手の追加

まず5度の音を追加します。次にテンションノートを加えます。バッキングは沢山の音をゴージャスに鳴らすイメージがあるのですが、使用される音数は4音、多くても5音までです。以下最終的な形を紹介します。

Dm9

G7(9)

CM9

少しの変化でジャズっぽさを出す

特にV7、ここではG7において少しだけ音を変化させるとテンションがオルタードテンションとなります。動画も参考にして是非試して下さい。

G7(b9 b13)

IIφ7のバッキング

m7b5コードのバッキングも基本的には同じ方法で作ります。

Dφ7(9)

C69コード

少し特殊なコードもやはり基本は同じです。

C6(9)

ルートヴォイシング

ヴォーカルやサックスとのデュオでのバッキングはソロピアノと同様に全音域でかなり自由に弾くことができます。基本的には左手でベース音を鳴らして、右手でヴォイシングします。右手のヴォイシングはAフォームBフォームが活用できます。ただし、トップノートはメロディの音かもしくはコードトーンを弾くように心がけましょう。フロント楽器もテーマやアドリブを弾きやすくなると思います。

CM9:トップに9thはメロディーを邪魔することがある。(All of meの例)

9thを中音で鳴らし、トップをメロディー(コードトーン)にした。

まとめ

そもそもバッキングはかなり難しいです。弾けなくても落ち込まないで下さい。どうしても必要な場合、左手でABフォームを弾くだけでも問題ありません。以下動画にまとめています。参考にして下さい。

スタンダード曲枯葉のバッキングもどうぞご参考にしてください。

参考書籍

すぐに使えるキーボード・バッキングまる覚え
楽器のデモ演奏などでよく聴かれる定番バッキング集です。弾くだけでその気にさせてくれます。楽器屋さんでこういうのをサラリと弾くと結構注目されます。ベストセラー書。
ピアノ・コンピング
ATN出版ジャズコンセプションシリーズの最も初級編。プロの演奏に合わせて伴奏が学べます。洋書ですが翻訳書なので日本語で勉強できます。ジャズコンピングが初めての方などにお勧めします。
アート・オブ・ピアノ・コンピング
本物のコンピングとはなにかが学べる良書です。
コード・ヴォイシング・ワークブック
左手のみ、両手のバッキングなどが丁寧に解説されています。
ハウ・トゥ・コンプ
ある程度の基礎を学んだのちに取り組むとこの本の良さがわかると思います。

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