【ツーファイブワン】

ツーファイブワン(II-V-I)は、ジャズやポップスで頻繁に使用されるコード進行です。この進行は曲構成の重要な役割を担っており、またアドリブはツーファイブワンを意識して作られることからも、この進行を理解することは大変重要です。ページ下部の動画も参考にして下さい。前半部分でメジャーやマイナーのツーファイブについて解説しています。

ダイアトニックコード

ある音階のルート音から順番にコードを作ったものをダイアトニックコードと呼びます。メジャースケールならメジャーダイアトニック、マイナースケール(3種類あります)ならマイナーダイアトニックとなります。ツーファイブワンはダイアトニックコードの2番目と5番目のコードを並べた進行です。

例:Cメジャーダイアトニックコード

1-3-5-7Chord
C-E-G-BCM7IΔ7
D-F-A-CDm7IIm7
E-G-B-DEm7IIIm7
F-A-C-EFM7IVΔ7
G-B-D-FG7V7
A-C-E-GAm7VIm7
B-D-F-ABø7VIIø7

よってルートがC(これがワンになります)におけるツーファイブはDm7(IIm7)、G7(V7)として Dm7-G7-CM7 となります。

ドミナント進行

ツーファイブワンで特に重要なのはファイブワン(V7-I)という流れです。このV7はドミナントセブンスコードと呼ばれ、メジャーならIM7、マイナーならIm7へ強く戻らせる(解決する、といいます)性質があります。

よく知られている「気を付け→礼」のBGMはC-G7-Cで、このG7がドミナントセブンスコードです。この解決感が曲のメリハリに重要な役割を果たしています。曲によってはツーファイブワンはファイブワンとしか記載されないこともあります。

ジャズのアドリブにおいてもツーよりもファイブの方に重点を置く事が多く、コード進行をみたらまずファイブワン進行を探す事が重要になります。

マイナー系ツーファイブワン

マイナーのツーファイブワンではIがIm7やImM7となること、IIがIIm7-5(IIφ)となることで、マイナーセブンフラットファイブ、もしくはハーフディミニッシュとよびます。このコードもダイアトニックコード由来ですが、マイナー系はやや複雑で、三種類のマイナースケールそれぞれのダイアトニックコードがあります。

自然和声的旋律的
Im7ImM7ImM7
IIø7IIø7IIm7
bIIIM7bIIIM7+bIIIM7+
IVm7IVm7IV7
Vm7V7V7
bVIM7bVIM7VIø7
bVII7VII○VIIø7

基本的には IIm7-5(IIφ)- V7 - Im7 の進行を考えれば問題ありません。

サンプル

代表的なスタンダード曲の枯葉を分析すると、最初の3小節、Cm7 - F7 - BbM7 は典型的なメジャーツーファイブワンです、それからサビの Am7-5 - D7 - Gm7 はマイナーのツーファイブワンです。この曲はメジャーとマイナーが交互に現れます。これを全てのキーで練習できればほとんどの曲のツーファイブワン進行がマスターできます。枯葉がなぜ練習曲として最適なのか納得いただけると思います。