レフトハンドヴォイシング

右手でアドリブを弾く時の左手のコード(レフトハンドヴォイシング)について解説します。基本的にはルートを除き、テンションノートを含んだ転回系コードを用います。

転回系は二種類あり、私は音域が広いものをAフォーム、狭いものをBフォームと呼んでいます。

もちろんこれらのコードを右手で弾いてピアノソロなどに応用することも可能です。できれば両手それぞれで練習してみて下さい。

ツーファイブワンを意識する

実践的な話になりますが、コードは突然現れたり、突拍子もない位置で弾かれるわけではなく、ある決められたルールに基づいて存在します。これがコード進行です。よってコードを覚える時は、決められた進行に沿って覚える方が効率が良いです。ここではツーファイブワン進行において各フォームを解説します。

よく使われる進行

各フォームは全調覚えるのが理想ですが、まずジャズでよく使われる下記の進行を練習しましょう。

Aフォーム

Aフォームは音域が広いヴォイシングです。それぞれ9や13のテンションノートを含みます。大変綺麗な響きです。

Aフォーム度数
IIm7b3-5-b7-9
V7b7-9-3-13
IM73-5-7-9

■Cメジャーの例

Dm9

G7(9 13)

CM9

V7のオルタードテンション

V7ではオルタードテンションを弾くことも可能です。9はb9か#9、13はb13として使われます。上記のDm7-G7-CMのG7を下記のように弾いてみて下さい。よりジャズっぽさが感じられると思います。

G7(b9 b13)

Bフォーム

Bフォームはやや狭く、また半音で音が重なるためそのサウンドに慣れるまで時間がかかります。しかし慣れればこのサウンドこそがいかにもジャズっぽく聞こえるようになります。

Bフォーム度数
IIm7b7-9-b3-5
V73-13-b7-9
IM77-9-3-5

Dm9

G7(9 13)

CM9

オルタードテンション

Bフォームもオルタードテンションにすることができます。#9がトップノートにあるので大変ジャジーな響が得られます。

G7(#9 b13)

練習法

左手コードヴォイシングの強化方法を動画で説明しています。ジェイミーのII-V-I Progressionを用いてマイナスワン(カラオケ)に合わせて訓練します。程よい緊張感が暗記をサポートします。是非練習に取り入れて下さい。

マイナーツーファイブワン

マイナー系のツーファイブワンでもABフォームの利用が可能ですが、メジャー系のようにスムーズにつながりません。

サンプルとして IIm7-5 のヴォイシングをのせておきますので、活用して下さい。V7についてはメジャー系と共通で問題ありません。

Dm7-5

Dm7-5(9)

Dm7-5(11)