Jazz Scales

ジャズで使われるスケール(音階)はクラシックと共通のものがほとんどですが、Altered、Diminished, Whole-toneなど特有のスケールがあります。ここでは基本的なスケールを紹介します。あまり時間のない方は動画で解説している2つのスケールを優先的に覚えて下さい。

メジャースケール

メジャースケールはまず何よりも優先して覚えるべき重要なスケールで、これから学ぶ様々なスケールの基礎になるものです。音の並びはルートから始めて全音−全音−半音−全音−全音−全音−半音となっており、12キーのうちどの音から始めてもこの配列ならば全てメジャースケールとなります。できれば全調、最低でもC,F,Bb,Ebのメジャースケールは必ず覚えましょう。

C

マイナースケール

マイナースケールはナチュラル(自然)、ハーモニック(和声的)、メロディック(旋律的)の3種類があります。

C nm

C hm

C mm

これらのうち最も覚えやすく、そして大変重要なスケールがメロディックマイナーで、メジャースケールの3度の音をフラットした音階となります。またクラシックピアノではメロディックマイナーの音の並びは上昇と下降系が異なるのですが、ジャズでは下降も同じ並びで使います。これをジャズマイナースケールと呼んでいます。

ドミナントセブンススケール

ドミナントセブンススケールはドミナント進行するセブンスコード上で使われるスケールで、最もジャズらしく、また種類も豊富です。

ミクソリディアンスケール

チャーチモードと呼ばれる音階のイオニアンスケール(メジャースケールと同じ)において、5番目の音から開始した音階をミクソリディアンスケールと呼んでいます。具体的にはCメジャースケールをGから開始した音階をGミクソリディアンと呼んでいます。

G mixo

ミクソリディアンスケールは最もシンプルなドミナントセブンススケールで、基本的にはその解決先の音(ルート)の音階を弾けば良いのですが、反面、ドミナント進行と呼ばれる終止感(解決する)を出しにくいという問題点もあります。

オルタードスケール

大変ジャズっぽいスケールで、特にドミナント進行のうち、マイナーコードへ解決する進行で使われます。オルタードとは変化するという意味で、ドミナントセブンスコード上で使えるテンションノートが全て含まれています。

C alt

オルタードスケールはその半音上のメロディックマイナーと同じ音階です。例えばF#のオルタードなど、とっさに出ない場合はGメロディックマイナーを弾けばよいことになります。

Hmp5↓

ハーモニックマイナーパーフェクト5th(フィフス)ビローはマイナーコードへ解決するドミナント7thコード上で使われます。スケール自体は解決先のハーモニックマイナースケールとなります。例えば G7 → Cm7 という進行ならばG7上でCハーモニックマイナースケールを弾くという感じです。マイナースケールの知識があれば特に問題なく覚える事ができます。動画の後半で少し解説しています。

C Hmp5↓

オルタードスケールと比べると、こちらの方がテンション少なめで割とあっさりとしています。しかしb9の響は大変効果的なのでマイナーコードへのドミナント進行では大変役に立ちます。そしてこのスケールはマイナーコードへ解決するIIφ7上でも使う事ができるので大変便利です。

コンディミスケール

コンビネーションオブディミニッシュスケールと呼ばれるスケールで、テンションを多く含むスケールになります。音階は規則正しく半音ー全音ー半音ー全音ー半音ー全音ー半音ー(全音)となります。これも頭で考えるよりも指で覚えてしまうのが最も近道になります。

C comdim

このスケールの最大の利点はわずか3種類の形を覚えるだけで全てのキーのコンディミが弾けるということです。以下の組み合わせで、開始音を変えて弾いてみると同じスケールになることがわかると思います。また覚える際にはCから、Gから、Fからスタートの3種類をお勧めします。弾いてもらうとどれも凸型になるためビジュアル的に覚えやすいためです。

3つのタイプ
C-Eb-F#-ACから凸
G-Bb-Db-EGから凸
F-Ab-B-DFから凸

オルタードとコンディミはどちらもテンションを多く含んだスケールですが、この2つのスケールの違いは13かb13かです。よってどちらのスケールを弾くべきかは原曲のメロディーにb13を含むのかどうかを参考にするとよいと思います。b13を含むならオルタード、含まないのならばコンディミなど。ただし実際はどちらでも良く、奏者の自由な選択となります。

ホールトーンスケール

ホールトーンスケール(全音音階)はすべての音の並びが全音であるユニークなサウンドのスケールです。これもパターンが2つしかありませんので覚えやすいと思います。ドレミの側を左岸、ファソラシの側を右岸とすると左岸の白鍵からスタートした場合、右岸は黒鍵を、左岸の黒鍵からスタートした場合、右岸は白鍵を弾きます。

C wt

ホールトーンを多用するジャズピアニストはセロニアスモンクです。彼の演奏には何処となく曖昧な、浮遊感が漂いますがホールトーンスケールの効果は間違いなくあると思います。よってこのスケールはあまりにもモンク臭が強いため頻繁に使う奏者は少なく、イントロやエンディングなどでスパイス的に使っているのをよく耳にします。

ビバップスケール

ビバップスケールはジャズ史においてバップ期と呼ばれる激しいコードチェンジを繰り返す曲が演奏されていた時期に多用されたスケールで、コード感をいかに出すか、を前提に構成されています。いくつかの種類がありますが、ドミナントセブンス上で使われるものについて解説します。

C Be-bop

基本的にはこのスケールは下降系で使います。コードトーン(黄色)が拍の表で鳴るような配列になっています。このようにコードの構成音を小節内の表で鳴らす事で強烈なコード感を出す事が可能なのですが問題点があります。それはこのスケールは必ず然るべきタイミングで弾かないと意味が無くなってしまう事です。よって作り上げられたフレーズを完璧なタイミングで弾く練習が必要となります。参考書はHow to play Bebopを大変お勧めします。

ブルース系スケール

ブルース系のスケールはあらゆるジャンルの音楽で使われる音階で、大変使い勝手がよく、アドリブにも活用できます。

ペンタトニックスケール

メジャースケールの4度と7度の音を抜いた(ヨナ抜き)5音がメジャーペンタトニック、メジャーペンタトニックの音階を6度の音(平行調)から始めたものがマイナーペンタトニックスケールになります。このようにメジャーとマイナーは平行調の関係としてセットで覚えていく事が最も効率が良いです。このスケールは本当に便利で、転調の少ないキーの曲ならばスケール1発でアドリブする事も可能です。是非覚えて下さい。

CM penta

Am penta

ブルーススケール

ペンタトニック同様、こちらもあらゆるジャンルの音楽で使われます。最も簡単な覚え方はマイナーペンタトニックスケールにb5(#4)を追加したと考える方法です。ペンタトニックよりも泥臭い、湿っぽいフィーリングが得られ、こちらも曲によっては1発奏法が可能です。頑張って覚えましょう。因みに、このスケールは別名でブルーノートスケールとも呼ばれます。b5の音をブルーな音として表現しているためで、本来のブルーノートは半音の半音あたり、ギターでいうチョーキング、ヴォーカルならばなんとも言えない中間の、曖昧な音域の声とされています。

C blues

その他重要なスケール

あまり目立つスケールでは無いですが使いこなすと便利なので紹介します。

リディアンb7スケール

チャーチモードにおいて4番目の音から開始した音階をリディアンスケールと呼び、リディアンスケールの7度をフラットにしたものがリディアンb7thスケールになります。ドミナント進行しないセブンスコード上で使われます。

C Lydb7

リディアンb7thスケールとオルタードは深い関係があり、それぞれ増4度の音から開始したスケールの関係となります。例えばC alt = F# lydb7、G7 alt = Db lydb7、などです。

ロクリアン#2

チャーチモードにおいて7番目の音から開始した音階をロクリアンスケールと呼び、このスケールの2番目を半音上げたもので、IIφ7コード上で使われます。ルートの短3度上のメロディックマイナーがLocrian#2のスケールと考えることもできます。例えば枯葉のコード進行で出てくるAφ7上でCメロディックマイナーを弾くとAロクリアン#2と同じスケールになります。

C Loc#2

リディアン#2

チャーチモードにおいて4番目の音から開始した音階をリディアンスケールと呼びます。このスケールの2番目の音を半音上げたものがLydian #2(または#9)になります。このスケールはメジャーコード上で弾くことができます。現代的なアーティストが、メジャーコード上のアドリブによく使うスケールです。このスケールはハーモニックマイナーの6度の音から開始したものと同じになります。例えばC Lydian #2はEbハーモニックマイナーと同じ音階になります。

C Lyd#2

PAGE TOP