Improvisation

インプロビゼーション(即興、ad-lib)はジャズを特徴づける演奏形態で、他のジャンルの音楽には見られない要素です。同時に最も難しい要素でもあります。ここではアドリブに必要な幾つかのポイントと練習方法を説明したいと思います。

アドリブは才能?

アドリブには一種の天才的な才能が必要であり、自分には到底無理だと考えている方も多いと思いますが、20年以上ジャズに携わってきた経験上アドリブの90%以上は事前の仕込みや慣れ、つまり理論的に説明可能なものであり、残り10%程度が本人が思いもしなかったメロディーやフレーズが弾けた、という感じだと思います。よってまずはこのインプットを中心に練習を始めるのが一番の近道だと考えます。

ジャズフレーズを仕込む

まずII-V-Iのフレーズ集などのテキストを用意して、その中からたった一つ、自分の気に入ったフレーズを選びます。迷ったら今の自分の技術で楽に弾けるものでも構いません。オススメのテキストはジャズフレーズフォーサックスというのがあったのですが残念ながら現在廃版です。他にはこちらのジャズフレーズ集がオススメです。

自分なりにアレンジしてみる

選んだフレーズをまず譜面通り弾いてみましょう。暗記するくらいがちょうど良いです。左手の伴奏はルートありの基本コードで構いませんのでまずはフレーズに集中して何度も弾いてみましょう。それからまずはリズムを崩してみます。8分音符を3連にしてみたり、開始を遅らせてみたり、これだけでもかなり雰囲気が変わると思います。

オクターブ変えてみる

音符をオクターブ変えてみることも効果的です。音域が上がったと見せかけてボトムで弾くなど。オクターブ違いの同じ音なのですが、かなり新鮮に聞こえます。慣れてきたら少し音を変えてみたり、他のフレーズとミックスさせると効果的でしょう。

アクセントを付ける

8分音符のフレーズを平坦に弾くと退屈に聞こえます。基本は裏拍を意識して8分音符の裏にアクセントをつけて弾いてみます。しかし全てそれではまた味気ないので、音にメリハリをつけるようにしましょう。具体的には小さな音はできるだけ小さく(飲む音)、アクセントはできるだけ大きくつける。しかしこれは技術的な問題も絡んできますので、上手に弾けなくても気持ちの上ではフレーズを歌っていることを意識すれば十分だと思います。

耳コピする

アーティストの生のジャズ演奏を耳コピすることは大変有効です。これ以上の教科書は存在しないと言ってもよいでしょう。これも全てコピーするのではなく、知ってる曲のコード進行の数小節分だけコピーして、それを分析します。そして自分のものにするのですが、分析できないこともあります。明らかに理論的に外れている音が良いスパイスとなっている事があったりします。その場合はあまり深く考えずにあるがままを受け入れて下さい。耳コピしたら、例えば先ほどのテキストから拝借したフレーズとミックスさせるなどすれば自分のオリジナルフレーズが完成します。

自分で作る

最後は自分で作る方法です。私は指をランダムに動かしてフレーズを作る方法を時々練習に取り入れています。ある決められたスケール、例えばDm7ならDドリアンにおいて音符のボトムとトップを決めてから一音一音加えていきます。それから指をランダムに動かします。この時音は気にしません。純粋な指の動きに注目して、跳躍してみたりします。そうすると案外いいフレーズが生まれる事があります。その積み重ねがどこかでハッとするフレーズを生み出す原動力になっていると考えています。