【ジャズアドリブの基礎】

この動画では前回の【コードの基礎】で学んだコードトーンを用いたアドリブの練習について解説します。アドリブ練習には様々なものがあるのですが、ここではあくまで私が行ってきた練習のうち成果のあったものを中心にお話しします。利用できる部分だけでも練習に取り入れていただければと思います。ジャズアドリブの弾き方実践アドリブの本など活用して下さい。

シンプルな練習法

左手の伴奏は2516を使います。キーはCなので、Dm7-G7-Cm7-A7です。動画をみて鍵盤を押さえてください。

この練習は最もシンプルな方法です。左手の伴奏で弾いているコードのコードトーンを順番に弾きます。ちなみにこれらは和音を分散して弾いているのと同じなので、分散和音とも呼んでいます。正直かなり退屈で単調な練習で、音楽的では無いかもしれませんが、ジャズのアドリブを弾くためには大切な練習です。特に知らない曲を弾く場合、このコードトーンをシンプルに鳴らすことで曲の構成がわかってくることが多々あります。とりあえず好きな曲を見つけて、コートトーンを弾いてみると良いかと思います。

音の開始音を変えてみる

これもよく行われる方法です。先ほどのシンプルな練習は音の開始がルートスタートでした。今度は3度や5度からスタートさせて響を確認しましょう。セブンスコードなら音は4つありますので、スタートを変えるだけでかなり色々なバリエーションができます。とりあえず動画のように練習してみてください。

メロディを意識する

この練習ですが、必ずしも全てのコード上で4分音符や8分音符を弾く必要はありません。動画のように時々弾かずに休符したり、1音だけコードトーンを鳴らしたり(1音入魂!)すると、途端にメロディのようなものが出来上がります。このように単調な練習でもほんの少しの変化をつけるだけで音楽的にさせることは十分に可能なのです。

コードトーンだけでもいい感じ?

先ほどコードトーンの練習は単調で音楽的ではないと言いましたが、曲によってはアドリブで絶大な効果を発揮することがあります。例えばコード進行が半音や全音進行になっている曲、ここではOn Green Dolphin Streetを例に挙げます。詳しいコード進行は譜面等をご覧ください。曲の前半部分、F-E-Ebなどの滑らかな進行があります。ここで分散和音を弾いてみます(動画を確認)

意外とイケてるのではないでしょうか。もちろん楽曲を通して全てのコード上で使える技ではありませんが、ポイントを絞って使うとかなりいい感じになります。ちなみに私は難しい曲のアドリブではコードトーンを多用します。だって難しくてこれしか方法がないのですから!(笑。

On Green Dolphin Streetのサンプル

サンプル演奏はコードトーンの他に、お決まりのフレーズやテンションコードを混ぜています。ジャズフレーズはこちらの書籍が大変おすすめです。いきなり急ぐ必要はありませんが、最終的には趣味としてこんな感じでアドリブを楽しめれば良いのではと思います。

テンションノートを入れる

コードトーンの練習が十分にできる(もしくは飽きる)ようになったらテンションノートも入れてみましょう。特に2番目の音である9を入れると一気に滑らかになります。使う音が増える分、逆に何を弾いていいかわからなくなりますが、そんな時はコードトーンに戻る、または1音だけ鳴らすなどを組み合わせて練習してみてください。皆さんオリジナルフレーズが必ずできると思います。今回はコードトーンを用いたアドリブの基礎のお話でした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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