ジャズピアノ初心者講座
この動画ではジャズ初心者の方を対象に名曲【枯葉】を用いてコードやアドリブ練習をしてみます。ジャズのコードやアドリブの雰囲気だけでもつかめればこの先役に立つと思います。動画は全3回までありますので併せてご視聴ください。
コードの押さえ方の基本
第1回は全ての基本となるコードの押さえ方です。ピアノは左手でコード、右手でメロディを弾くことができる楽器です。枯葉のメロディに合わせて左手の伴奏をするのですが、伴奏のコードの押さえ方は多種多様です。まずは最も基本となる1度と7度の組み合わせを押さえる練習から始めることをお勧めします。動画をみて鍵盤を押さえてみてください。慣れてきたら3度や5度などを加えていけばよいかと思います。
コードの1度と7度をみつける
ジャズで使うコードは基本的に4つの音から構成されています。例えば枯葉の最初のコードはCm7ですが、これはC Eb G Bbの音を同時に鳴らすことでサウンドを得ることができます。この4つの音を簡易的な順番に1357と呼び、各数字に度をつけます。これが度数表記です。
1度はルート音(根音)と呼ばれ、いわゆるベースの音になります。ベーシストは基本的にこの音を鳴らし、曲の外郭を作っていきます。この音はコードのアルファベットの音そのものです。Cm7なら1度はC(ド)の音、EbM7なら1度はEbの音です。
7度の音ですが、これはコードの種類によって押さえる音が少し変わります。コードがメジャーセブンスなら、7度はメジャーの音、つまりルートからみて半音下の音になります。マイナーセブンス、またはただのセブンスなら7度はマイナーの音、つまりルートからみて全音下の音になります。
具体的にはCm7の7度はBb、F7はEb、いずれもルート音(1度)からみて全音下の音です。BbM7はA、EbM7はDの音で、7度はルートからみて半音下となっています。
まずは1度と7度をどんなコードでもすぐに押さえられるような練習をして曲の外郭をつかむようにすれば、そのうち3度や5度、テンションノートと呼ばれる9度なども適時加えられるようになりハーモニーを広げることができるようになると思います。焦らずに取り組んでみてください。
曲の調(キー)のメジャースケールの練習
第2回はいきなりのアドリブ練習です。調性のある曲においては、必ずその曲全体を支配している大きな主音なり主音階が存在します。この曲ではBbから始まるメジャースケールもしくはGから始まるマイナースケールです。主音階は支配的なものなので、楽曲中のコードに依存することなく弾くことができ、基本的には曲を構成しているどのコード上でもハーモニーが崩れることがありません。ただし途中で転調のある曲ではその瞬間は主音階が変化してしまうので、新たな支配音階を弾く必要があります。
なんとなくの例えなのですが、主音階はユーロという共通通貨に似ています。
ヨーロッパには大中小国がたくさんあり、かつてはそれぞれ独自の通貨を使っていました。これらの国々が各コードのようなイメージで、EU(ヨーロッパ連合)が調(キー)という感じです。
EUに加盟している国(これらは曲のキーのダイアトニックコードと呼びます)なら独自の通貨はあるにしても、ユーロが共通して使えます。よってこの場合は、曲全体を通じて、コードがどうであれ共通の通貨のような主音階が全てに当てはまる、という感じです。実際に動画ではひたすらBbのメジャースケールを弾いていますが、なんとなくどんなコードにも当てはまっているように感じたのではないでしょうか。
もちろんEU加盟国であっても独自通貨が使える国があります。その独自通貨が例えばオルタードスケールであったり、リディアンスケールであったり、その国独特の個性を象徴するものとなります。この辺りは学習を進めていく過程で学んでいかれることをお勧めします。
曲の調(キー)のメジャースケールだけでアドリブできる?
先ほどの例え通りですが、EU加盟国なら全てユーロが使えるように、その曲のキーから作られるダイアトニックコードで構成されている曲なら全てその曲のキーのメジャースケールだけでアドリブのようなものが可能です。ほとんどの国でユーロが使える、というのと同じ、ほとんどのコード上で曲のキーのメジャースケールが使えます。バイバイブラックバードという曲のキーはFです。ですのでFメジャースケールだけでアドリブが可能です。ただし多くの曲では曲中にEU以外を挟み込んでいることが多いです。例えばASEAN(東南アジア諸国連)とか。ASEAN内ではもうユーロは使えずアジア通貨単位であるACUやAMUを使う必要があります。これが転調のイメージです。
この回ではできるだけ易しく、アドリブのイメージを知っていただきたくて説明しました。興味を持っていただけたら是非他の動画もご視聴ください。是非楽しんで練習に励んでください!