【ドミナントスケール】

例えば G7 → C というコード進行はドミナントモーションと呼ばれ、この G7 をドミナントセブンスコード、さらにこのコードで弾くことのできるスケールをドミナントセブンススケール(ドミナントスケール)と呼んでいます。ジャズでは大変重要なスケール群となります。

ミクソリディアンスケール

ミクソリディアンスケールは最もシンプルなドミナントスケールで、これが全ての基礎となります。あるメジャースケールの5番目の音から開始した音階で、音自体は元になっているメジャースケールと同じです。

例:CメジャースケールのGから開始した音階がGミクソリディアンスケール(Cメジャースケールと音は同じ)。

■G ミクソリディアン

サンプルはG7上で弾く事ができます。この時G7のコードトーンであるシ(3度)とファ(7度)の音を強調して弾くようにするとよりスケール感がでます。この他C7(Fメジャースケールと同じ)やF7(Bbメジャースケールと同じ)も練習しておきましょう。

ビバップドミナントスケール

基本スケールでも解説したビバップスケールのうち、ドミナントセブンスコード上で使えるものです。

■C ビバップドミナント

大変使い勝手が良いスケールなので書籍も参考にして下さい。

リディアンドミナントスケール

あるメジャースケールの4番目の音から開始した音階をリディアンスケールと呼び、その7度をフラットにしたものがリディアンドミナントスケールになります。ドミナント進行はもとより、ドミナント進行しないセブンスコード上どちらでも使えます。

例:Cリディアンスケール(Gメジャースケールと同じ)のシの音をbにしたもの。

■C リディアンドミナント

リディアンドミナントスケールと次に解説するオルタードスケールは増4度の関係があります。例えば C オルタードスケールは F# リディアンドミナントスケールと同じ音階です。このような関係性が見えてくるとスケールを覚えるのが少し楽になります。

オルタードスケール

ミクソリディアンスケールの2度をbと#、さらに5度と6度をbにしたスケールをオルタードスケール(Altered:変化する)と呼びます。大変ジャズらしいスケールで、アドリブで頻繁に使用されます。

例:Cミクソリディアンスケールのレ(2度)をbと#、ソ(5度)とラ(6度)をbにしたもの。

■C オルタード

動画でも解説していますが、オルタードスケールの覚え方はいくつかあります。個人的には半音上のメロディックマイナーという考え方をよく使います。例えばF#のオルタードスケールはGメロディックマイナーを弾く、など。焦らず地道に習得して下さい。

Hmp5↓

ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビローと呼びます。例えば C7 → Fm7 のようなマイナーコードへ解決するドミナント進行で使われます。

スケールは解決先のコードのハーモニックマイナースケールとなります。 C7 Hmp5↓ は Fのハーモニックマイナースケールと同じです。

■C Hmp5↓

ミクソリディアンスケールの2度と6度の音をbにしたものと考えることもできます。オルタードスケールよりも変化は少ないのですが、マイナーの感じが大変するのでこちらも頻繁に使われます。

コンディミスケール

コンビネーションオブディミニッシュスケール(コンディミ)と呼ばれるスケールで、音階は規則正しく半音ー全音ー半音ー全音ー半音ー全音ー半音ー(全音)となります。

■C コンディミ

このスケールはディミニッシュコードが元になっています。よって例えば CコンディミスケールはCディミニッシュコードの構成音のどれから始めても同じ音階になります。

3つのタイプ
C-Eb-F#-ACコンディミと同じ
G-Bb-Db-EGコンディミと同じ
F-Ab-B-DFコンディミと同じ

3つの形を覚えてしまえば12キー全てで弾けること、またそのまま弾いても大変かっこいいスケールなので是非練習してみて下さい。

動画の中盤でこのスケールについて説明しています

その他の特殊スケール

ホールトーンスケール

ホールトーンスケール(全音音階)はすべての音の並びが全音であるユニークなサウンドのスケールです。これもパターンが2つしかありませんので覚えやすいと思います。ドレミの側を左岸、ファソラシの側を右岸とすると左岸の白鍵からスタートした場合、右岸は黒鍵を、左岸の黒鍵からスタートした場合、右岸は白鍵を弾きます。

■C ホールトーン

ホールトーンを多用するジャズピアニストはセロニアスモンクです。彼の演奏には何処となく曖昧な、浮遊感が漂いますが、その理由としてホールトーンスケールは外せないと思います。

ロクリアン#2

チャーチモードにおいて7番目の音から開始した音階をロクリアンスケールと呼び、このスケールの2番目を半音上げたもので、IIφ7コード上で使われます。ルートの短3度上のメロディックマイナーがLocrian#2のスケールと考えることもできます。例えば枯葉のコード進行で出てくるAφ7上でCメロディックマイナーを弾くとAロクリアン#2と同じスケールになります。

C Loc#2

リディアン#2

チャーチモードにおいて4番目の音から開始した音階をリディアンスケールと呼びます。このスケールの2番目の音を半音上げたものがLydian #2(または#9)になります。このスケールはメジャーコード上で弾くことができます。現代的なアーティストが、メジャーコード上のアドリブによく使うスケールです。このスケールはハーモニックマイナーの6度の音から開始したものと同じになります。例えばC Lydian #2はEbハーモニックマイナーと同じ音階になります。

C Lyd#2

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