ジャズのルール

音楽にはそのジャンルに応じた聴き方や弾き方のルールがあります。クラシックなら楽章、フラメンコなら決められたリズム、ポップスならサビやエンディングなどなど。ジャズにも独特のルールがあります。このルールを頭に入れた上でジャズを沢山聴くことをお勧めします。テキストではジャズ・セッションのルールブックなども参考にするよ良いと思います。

ジャズの全体の構成

テーマ(その原曲のメロディ)→  アドリブ(各奏者が順番にアドリブに入る)→ 4バースまたは8バース(4小節ごとまたは8小節ごとに奏者が交代する) テーマ(再び原曲のメロディに戻る)→エンディング(特に決まりはないが最後の4小節を繰り返すことが多い)。

テーマは通常フロントといわれる楽器(例えばサックスなどの管楽器)が演奏します。また、その曲の始めから終わりまでをコーラスと呼び、アドリブはコーラス単位で演奏されます。通常はフロント楽器からアドリブを弾き、他の奏者(Gt、Pf、Bassなど)へと順番が回ってきます。アドリブは基本的に何コーラス弾いても問題はありませんが概ね2〜3コーラス程度が多いようです。バラッドなどスローな曲は1コーラスのみの場合もあります。

プレーヤーの会話例:「この曲はスローバラードだからソロは各パート1コーラスにしよう」、「結構長いコーラス弾いてたね」、「がんばって2コーラスはアドリブとらないと」など。

カルテット(Sax、Pf、Bass、Dr)の例
Sax → Pf → Bass → ドラムの順番
クインテット(Sax、Gt、Pf、Bass、Dr)
Sax → Gt → Pf → Bass → Dr (Saxより先にGtがソロをとることもある)

ロストしない

好きなだけアドリブを弾いてよいという性質のため、演奏中に曲のどの小節を弾いているのかわからないという、いわゆるロストと呼ばれる状態になることがあります。このままでは曲そのものが停止してしまうという最悪の自体が起こりますので、ピアニストなど特にリズム楽器は曲に精通していること、コーラス感覚をしっかりと持っていることが必要になります。プロミュージシャンに聞いた話ですが、プロの演奏でもロストが起こることがあるようです。しかしさすがプロ、そんな時は素知らぬ顔をしてピアニストやギターリストがジャーンと曲初めのコードを鳴らして強引にリセットするらしいです。もちろんリスナー側は全く気づきません。さすがですね。