オリジナルフレーズの作成

音楽のみならず、この世の中で完全にオリジナルというものはほぼ皆無です。ジャズのオリジナルフレーズには必ず元ネタがあります。よってオリジナルフレーズ作成の近道は、とにかく既成のフレーズをコピーしてそれを変化させることです。

歌うフレーズ

IIm7-V7-ⅠでⅠメジャースケールやブルーススケールを使用して1発で弾ききる方法を紹介しましたが、 スケール(音階)はあくまで音の並びでしかありません。音階を適当に弾くのもよいのですが、これは本人は別として、音楽的な意味をなしえません。

ただの音階(スケール)を歌うフレーズに変えるためには好きなアーティストの気になったフレーズをたくさんコピーして、それを自分なりに変化させて使用するしか方法がありません。独創性があると言われる小説家でも、デビュー前に5000冊程度の本を読んでいるようです。一日一冊で14年もかかります。つまりこれだけのインプットがあるから作品を作り出せるということです。ジャズのアドリブも同じだと思います。たくさんジャズを聴いて聴きまくる、これが最も近道となります。

フレーズに手を加える

まず始めに、耳コピもしくは教則本からでもよいのでIIm7-V7-Iのフレーズをひとつコピーします。今度はそれを、 特に最後の音を少し変えてみましょう。半音下げる、半音あげる、オクターブ上下させる、音数を増やすなど様々な方法があります。ただし最終的な着地点はそのコードのコードトーンになるようにしましょう。そうして色々いじっていくうちに気に入ったフレーズが出来上がっていきます。そしてそれはまぎれもなくオリジナルフレーズです。

全体のバランスを考える

ジャズの曲を演劇に例えると、ある瞬間のアドリブフレーズはその中で繰り広げられるドラマチックな会話に相当します。オペラといったほうがよいかもしれません。偉大なアーティスは常に曲全体のバランスを考えて、さらに共演者との会話をするようにアドリブを組み立てています。ジャズの批評の中で『歌っていない』『会話ができていない』で『練習してきたものを弾いている』とはミュージシャンにとってはもっとも恥ずべき評価だと、どこかで読んだことがあります。

ストーリー性のあるアドリブを作成すること、そしてそこに歌心を乗せることは最も高度なことです。個人的にはプロとアマの違いはここであると考えています。テクニックが一流でも退屈で脈絡の無いアドリブをするミュージシャンはすぐに飽きられてしまいます。

反対にテクニックはそれほどなくても、ストーリー性のあるアドリブをするミュージシャンもいます。そういう人は本当にジャズが好きでたまらないのでしょう。そして人々に愛されファンがつくのもそういったアーティストです。

原曲のメロディにそったアドリブ

といってもこれまで述べてきたレベルに到達できるには相当な年月や努力、経験が必要になります。偉そうな事を書いていますが、正直私には到達できそうにありません。素人は素人ならではのステップで進んでいけばよいので、初心者の方はまずはその原曲のメロディにそったアドリブを組み立てる練習をしましょう。