EAR TRAINING

耳コピとは音だけ聴きとってそれを鍵盤で再現することです。耳コピをしなくてもジャズは弾けます。しかしかっこいい演奏をするジャズ奏者で耳コピをしていない者はいません。私は譜読みができないため、おのずと耳コピをするようになりました。耳コピは、なにか特殊な能力のように感じますが、慣れれば誰にでもできます。もちろん絶対音感などはあればよいのでしょうが、基本的に相対音感があれば十分にできます(私は相対音感です)。要するにやるか、やらないかの気持ちの問題です。そしてジャズは音符よりフィーリングが大切なため、譜面だけの練習ではどうしても限界があります。そこでやはり耳コピが重要になってきます。

基本的には耳コピは時間さえかければ誰にでもできますが、簡単に、というわけではありません。しかし、かつてのジャズプレイヤーが楽器とテープレコーダーのみで耳コピをして、採譜までしていた頃と比べると、現在はiPodなどをはじめとした音楽データの普及で耳コピの作業効率は飛躍的に上がっています。そして新たに耳コピをはじめる方にも敷居の低い世界となっています。ぜひチャレンジしてみてください。

耳コピ初心者が勘違いしやすいこと

耳コピはその曲全部をコピーすることではありません。実際それは専門の業者がやることです。このように最初から意気込んでいては挫折の元です。まずは1小節、もしくは4小節単位で耳コピしてみましょう。たった1つのフレーズのコピーがその後どんどん世界を広げてくれます。

採譜について

コピーしたものを採譜するかについては賛否両論があります。偉大な書ザ・ジャズ・セオリーの著者であるマークレヴィンはその書の中でこう述べています。『クラシックは譜面の音楽で、ジャズは耳の音楽だ』。彼的には採譜するぐらいならそのフレーズを暗記しろ、ということでしょう。個人的には採譜できる人は採譜したほうが良いでしょう。私はできませんのでコピーしたものを録音・暗記します。

準備

初めて聞いた曲でもその場でコードを譜面に起こせ、2回目に聞いたときには音楽のほとんど全て採譜できるような天才(実際大学生の頃に出会ったことがある)は例外ですが、このような人はそもそもこのページを見ていないでしょうから、耳コピ初心者を前提にすると、耳コピでは何度も同じ場所を繰り返し再生します。それこそ何十回、何百回とリピート再生をします。そのため通常のCDコンポやプレイヤーは消耗が激しくなりすぐに壊れてしまいます。よってこれらの機器を使用するのはおすすめできません。

現在は便利なアプリ、ソフトウェアが巷にゴロゴロしています。自分に合ったものを選べばよいでしょう。個人的には下記のソフトがおすすめです。

ASD app

iPhone、iPad用アプリ。本当に使いやすく、いつもお世話になっています。無料のLite版もありますが、機能制限がかなりあります。

Amazing Slow Downer - Roni Music

Amazing Slow Downer - Roni Music

Amazing slow Downer(PC/Mac)

リンク先のページの左側『Download』をクリック

開発元RONIMUSIC。海外では有名な耳コピソフトウェア。速度調整のレンジが広いところが非常に魅力。体験版をダウンロードできるが、機能制限がある。非常に良いソフトだが、購入にはVISAなどクレジットが必要。

本社

日本代理店はこちら

Grageband

マック付属のソフトウェアで、マックユーザーにはおなじみのDTM用ソフトです。DTMをやらない方でも音声ファイルの再生スピードの調整などが手軽にできます。マックユーザーなら利用しない手はありません。

GarageBand - Apple

GarageBand - Apple

ピアノ

耳コピ用のピアノは電子ピアノをおススメします。

アコースティックピアノ(以下アコピ)、つまりアップライトやグランドピアノなど生ピアノのことですが、これらは残念ながら耳コピには向きません。できないわけではありませんが、生楽器の音量とスピーカーから出る音量のバランスがとりづらい、夜間の練習ができない、というような理由で耳コピにはかなり不便です。

ちなみに私は耳コピ用にYAMAHA P-105Bを使っています。88鍵盤でスリム、スピーカー内蔵なのでスイッチ入れるだけですぐに気楽な音取りができます。タッチもそれほど悪くはないです。内蔵スピーカーの音質はお世辞にも良いとはいえませんが、別のアンプに繋ぐと悪くない音色になります。しかし最大の魅力は値段です。4万円を切る価格でこれならコストパフォーマンスもかなり高いのではないでしょうか。

実践

機材が揃ったらいよいよ実践です。まずは自分の好きなアーティストの演奏している曲を聴きましょう。曲目はなんでも良いですが、『今のカッコいい!』と思うフレーズを奏でている曲が良いでしょう。それを見つけたら、そのフレーズを何度も再生して耳で覚えていきます。口に出して歌えるくらいに。フレーズのスピードが早い場合はアプリのスピードコントロール機能を使いましょう。次に鍵盤で音取りです。まず1音取りましょう。開始の音でもよいです。はじめの1音が分かれば相対的な2音、3音と音取りができます。しかしながらこの音取りのスピードは残念ながら個人の相対音感のレベルに左右されます。実際私はこの音感のなさに毎日ため息が出ます。しかし努力は怠ってはいけません。私が使用しているものでおすすめはJamey Aebersold's Jazz Ear Training です。やらないよりやった方がマシだろう、とがんばっています。効果がでるのはまだまだ先のようですが。