課題曲:All The Things You Are

君はわがすべて

Jerome Kern作曲、Oscar Hammerstein II作詞のミュージカル Very Warm for May (1939)五月にしては暑すぎる のために書かれた曲です。

ジャムセッションなどでチャレンジ曲のごとく演奏される曲です。この曲のアドリブができれば今後の見通しは明るいでしょう。参考音源はBlue Serge などです。転調が多く、とても初心者向けの曲ではありませんが、初心者から中級者、上級者への登竜門ともされる曲です。練習になりますのでぜひチャレンジしてみて下さい。

コード進行

キーは変イ長調(Abメジャー)です。

F-7 Bb-7 Eb7 AbM
DbM D-/G7 CM CM

VImから始まる曲で、その後II-V-I-IVと続きます。この部分は全て調性がAbとなっています。よってAbメジャースケールで弾ききれば良いと思います。次の5小節目からはCに対するII-Vとなっています。よって5〜7小節ではCメジャースケールで弾ききれば、それほど変な感じにはなりません。

AbメジャーからCメジャーへの劇的な転調ですが、一役かっているのが5小節目のDbMで、これはPivot Chordと呼ばれる機能を持っています。Pivot Chordはある調からある調へ転調するときに共通の和音でうまく繋ぐ方法です。Abにとっては4度の和音、Cにとっては短2度の和音(ナポリの2度ともよばれます)となります。

補足:6小節目のD-/G7ですが、納さんの黒本によると正式にはDø7/G7b9となります。この場合、マイナーへ解決するII-Vという認識になります(この場合Cm7)。そうするとメジャーキー1発ではなくなり、より複雑になります。最初はD-/G7で考え、慣れた頃にG7ではHmp5を積極的に使っていきましょう。

9小節目からのコード:

C-7 F-7 Bb7 EbM
AbM A-/D7 G G

9小節目からEbに調が変わります。転調しても構成は全く同じなのがすごいです。Ebの6度マイナーであるC-7から始まり、II-V-I-IVと続きます。ここはEbメジャー1発です。そしてGのII-Vで、ここはGメジャースケール1発で弾けます。(PivotやマイナーのII-Vの考え方も最初の8小節と同様です)

17小節目からのコード:

A-7 D7 G G
F#-7 B7 E C7

17小節めから続く8小節ですが、はじめの4小節はGのメジャースケールで対応できます。残りの4小節ですが、3小節まではEメジャースケールになります。Eメジャースケールはピアニストにとってはあまり馴染みがありません。ひたすらスケールの練習をするしか無いでしょう。ここをクリアできれば1つ前進できたと思ってください。最後のC7はラストテーマのF-7へのドミナントと考え、Cのhmp5など使えればかっこ良くなるでしょう。

補足:F#-7/B7ですが、本来はF#ø7となり、Emへ向けたII-Vとなります。前述(6小節目からのII-V)したCメジャーへのII-Vと同じ考えです。スケールが複雑になるので、はじめはF#-7/B7で考えればよいと思います。

25小節目からのコード:

F-7 B-7 Eb7 AbM
DbM Db-7 C-7 Bdim
Bb-7 Eb7 AbM C7

ラストのテーマです。基本は始めと同じですが、6小節目がDb-7となっています。続いてC-7となります。マイナーコードが半音で下がっていく部分で、個人的には好きなケーデンスです。アドリブですが、ラスト5小節まではAbメジャースケール1発、Db-7ではDbのドリアン(Bメジャースケール)か、Dbメロディックマイナーを使います。本によってはこのコードはGb7と書かれていることがあります。この場合、Gb7リディアン7thを使いますが、このスケールはDbメロディックマイナーと同じなので、コード表記は違えど、中身は同じこととなります。続いてC-7/Bdimですが、Bdimはディミニッシュドスケールか、アドリブではF7で問題ないとされるので、両コードともにBbメジャースケール1発で大丈夫だと思います。ラスト4小節はAbメジャースケール1発と考えられます。

まとめるとスケールチェンジがAb-B-Bb-Abという感じです。