SPAIN

スペインは1972年にチックコリアが作曲しました。アルバム『Light As a Feather』 に収録されている非常に有名な曲です。アルバムの中でチックコリアはローズ・ピアノを用いて独特なドライブのかかった演奏をしています。他、多数のアーティストによって演奏されており、ギタリスト好みの曲としても有名です。歌詞のつく場合もありボーカル入りの楽曲でも演奏されています。

原曲のキーはDメジャー/Bマイナーです。イントロではホアキン・ロドリーゴ作曲のアランフエス協奏曲第2楽章(アダージョ)が用いられており、イントロからすでにマイナーな雰囲気を感じさせます。

Key : B minor

イントロ

Bm A Bm Em G F#7 Bm
G F#m Em A7sus
Dø D C#7 F#7 Bm

イントロはDメジャーのスケールからシンプルに構成されています。とは言ってもコードの組み合わせでサウンドに深みが増すのはさすがといった感じです。

テーマ

テーマのメロディは特徴あるアフロで奏でられます。ここでは載せようがないので各自楽譜や配信動画などを参考にしてください。

アドリブコード進行

G - - -
F#7 - - -
E-7 - A7 -
DM7 - GM7 -
C#7 - F#7 -
B- - B7 -

解釈

最初の4小節はDメジャースケール一発です。Bmキーから見るとGM7はbVIMと考えますが、ここでは分かりやすいようにDメジャーの4度と考えます。

4〜8小節は様々な解釈ができます。F#7をBmのドミナントと捉え、F#オルタードやコンディミ、Hmp5↓など。進行上は次のコードはEm7なので、ドミナント解決していないと考えて、F#リディアンセブンスも可能です。肝心なのはこのコードが鳴る時にBbの音(F#の3度)を必ず鳴らすということです。そうするとコード感が強く出ます。

9〜16小節は再びDメジャースケール1発です。A7ではメジャーへの解決としてミクソリディアン、その他オルタードなども使えます。GのコードではC#の音(4度としてのGを決定付ける音)を入れるようにしたら良いと思います。

17小節のC#7は次のF#7へのドミナントなのでやはりオルタード、コンディミなどを使います。F#7も次のBmへのドミナントなので同様です。

ラスト4小節のBmは、極端に言えばDメジャースケールでも構わないと思いますが(ナチュラルマイナーとして)、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーなどもアウトな感じで良いです。

最後の2小節のB7は、通常ならばEもしくはEmに解決しますが、テーマの頭はGMです。よって、この場合、EmをGMの代理(VIm7)と捉えて偽終止とするのが妥当と考える流れがあるようです。よってスケールはB7のミクソリディアン、もしくはオルタード、上記を全く無視してリディアン7thを使うのも良いと思います。いずれにせよ決まりはありません。

こうしてみると、この曲はスケールチェンジの激しい曲であり、たくさんのスケールを知っていれば色々なバージョンでコーラスを重ねていくことができます。よって一旦この曲に慣れてしまえば演奏するのが楽しいだろうな、とは想像できます。またギタリストに人気なのもわかる気がします。

最後になりますが、裏技的な方法で、全編を通してBのブルーススケール、Dのペンタトニックで弾くことも可能です。しかしフレーズを気をつけないと湿っぽい歌謡曲のようになるので注意が必要です。