Girl from Ipanema

イパネマの娘はブラジルのアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)が1962年に作曲したボサノヴァの歌曲です。

浮遊感が漂うボサノヴァの曲で歌バンドなどでよく演奏されます。メジャーな曲なので知名度も高く初心者にも取っ付きやすい練習曲のようですが、実は同じスタンダード曲の『On green Dolphin Street』と同様、難易度が高い曲です。

ここではコード進行のうち、さびの部分だけをみていきましょう。形式は標準的なAABAです。

キーF Major

G♭ G♭ B7 B7
F#m7 F#m7 D7 D7
Gm7 Gm7 E♭7 E♭7

ここで誰もが??となるのがサビの進行の複雑さではないでしょうか。私も非常に苦手です。このコード進行を理論的に解釈しているサイトがこちらで、要約して、例えばGb - B7は、キーがDbのときのIVM7とVIIb7で考える。IVM7はサブドミナント。VIIb7はサブドミナントマイナーであるIVm7の代理云々。すばらしいですね。このように2小節づつでキーを分けて考えると一発アドリブができるかもしれません。

一発アドリブ

  • 「GbM7 - B7」はDbメジャースケール
  • 「F#m7 - D7」はEメジャースケール
  • 「Gm7 - Eb7」はFメジャースケール

少し本気でアドリブ

  • 「GbM7 - B7」GbM7はGbリディアン(Dbメジャースケール)、B7はBリディアンb7(Fオルタード)
  • 「F#m7 - D7」F#m7はドリアン(Eメジャースケール)、D7はリディアンb7(Abオルタード)
  • 「Gm7 - Eb7」Gm7はドリアン(Fメジャースケール)、Eb7はEbリディアンb7(Aオルタード)

アレンジ

できるだけシンプルにコード進行を考えてみるとどうなるか。サビの部分のみいじってみましょう。

原曲サビ

G♭ G♭ B7 B7
F#m7 F#m7 D7 D7
Gm7 Gm7 E♭7 E♭7

別解釈サビ

G♭ G♭ B7sus B7sus
F#m7 F#m7 D7sus D7sus
Gm7 Gm7 Eb7sus Eb7sus

いかがですか。この場合のsusとは3度無し、と考えてください。実は3度の音は原曲のメロディーが担当しています。なので不安定な感じはあまり受けません。ただ、このままではコード解釈が難しいですね。そこでさらに簡単にしていきます。

ポイントはあるコードのルートのVm7コードがそのルートに対して5,7,9,11になるということです。例:CのVm7はGm7つまりG,B,D,FはCに対して5,7,9,11になる。詳しくはUSTを参照。

変更後

G♭ G♭ Gbm7 Gbm7
F#m7 F#m7 Am7 Am7
Gm7 Gm7 Bbm7 Bbm7

B7のVm7はGbm7、D7のVm7はAm7、Eb7のVm7はBbm7

つまり、ベースがルートを弾くことを仮定すればピアニストの左手はジャーンとマイナーコードをならしてればよいということになります。ただしGbm7とF#m7は同じなので(サビの3−6小節目間)、ヴォイシングを変えて雰囲気を出すとよいでしょう。

ではサウンドをお聞きください。原曲バージョンとアレンジバージョンです。

原曲


アレンジ

いかがですか、原曲の場合セブンスコードがどうしても『ガツン』という感じがしますね。アレンジするとより浮遊感がただよってモードぽくっておしゃれな感じがしますね。好みの問題ですが、アドリブもマイナーフレーズ中心に考えるとよいでしょう。